基礎から分かりやすく解説!ダイバーシティ経営「なでしこ銘柄」とは?

経済産業省ーダイバーシティ2.0、企業100選、なでしこ銘柄など

経済産業省が推進する「ダイバーシティ経営」。今回は、その取り組みの一つである「なでしこ銘柄」について、基礎から分かりやすく解説します!

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「なでしこ銘柄」とは?

経済産業省が推進するダイバーシティ経営の中でも特に、女性活躍推進に優れた企業を選定し、発表しているのが「なでしこ銘柄」です。東京証券取引所と共同で、2012年度より開始されました。

女性活躍推進を実践する上場企業を、「中長期の企業価値向上に取り組んでいる企業」として投資家に紹介することで、投資を促進し、企業の取り組みを加速することが狙いです。

海外では「ESG投資」(E:環境、S:社会、G:ガバナンス を適切に考慮する投資)が拡大しており、ダイバーシティは 「S:社会」および「G:ガバナンス」における重要テーマとして認識されています。

日本でも、2019年5月に発足した『30% Club Japan』(企業の役員に占める女性比率を3割に引き上げることを目標とした、英国発のグローバルキャンペーン)など、投資企業に対する多様性に関する働きかけが活発になっています。

なお、2019年12月には、経団連と30% Club Japanが、日本企業における女性活躍・ダイバーシティの推進についての協力に関する覚書を締結し、女性の取締役比率を上げるための方策を議論しています。

選定方法や基準は?

2021年3月に発表された令和2年度「なでしこ銘柄」では、アサヒグループホールディングス株式会社、ENEOSホールディングス株式会社など、44社が選定されました。

選定にあたっては、ダイバーシティ経営に必要とされる取組とその開示状況について評価を行い、業種毎にスコアが上位の企業を選定します。

スクリーニング要件は、以下のように定義されています。

① 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく行動計画を策定していること(従業員数 300 人以下の企業を除く)

② 厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」に「女性管理職比率」を開示していること、

加えて、③「なでしこ銘柄」においては女性取締役が 1 名以上いること、「準なでしこ」においては取締役、監査役または執行役員のいずれかの役職に女性が 1 名以上いること

の3点としました。なお、執行役員制度を導入していない企業については、業務執行を担当する役員に相当する役職者を認めることとしています。

令和2年度なでしこ銘柄レポート – 経済産業政策局 経済社会政策室

なお、スクリーニング要件および評価方針の変化は、先述の経団連と30% Club Japanの動きや、令和2年11月に経団連が発表した「新成長戦略」における「2030年までに役員に占める女性比率を 30%以上にする」という目標と、色濃く連動しています。

スクリーニング要件および評価方針の変化

● 平成30年度:取締役に女性が1名以上選任されていることがスクリーニング要件として新設される。

● 令和元年度:上記に加え、女性取締役が複数名いる場合により高く評価される。

● 令和2年度:女性取締役については上記要件及び配点を継続。加えて、社内での育成・昇格を経て、執行の最高レベルの責任を担う「執行役員」層においても複数の女性を登用する企業は、より高く評価される。

「準なでしこ」「なでしこチャレンジ企業」とは?

「なでしこ銘柄」に加えて、「準なでしこ」「なでしこチャレンジ企業」という設定もありますので、ここで整理しておきます。

なでしこ銘柄

一定のスクリーニング要件を通過した企業について、女性活躍度調査のスコアリング結果に財務指標(ROE)による加点を経て、「なでしこ銘柄」として業種ごとに選定。

準なでしこ

全体順位上位のスコアの企業のうち、「なでしこ銘柄」として選定されなかった企業を、「準なでしこ」として業種を問わず選定。

なでしこチャレンジ企業

女性活躍度調査に回答し、公表を希望した企業について、女性活躍推進に関する取組・開示状況を一覧化し、「なでしこチャレンジ企業」として紹介。

どんな企業が「なでしこ銘柄」に選ばれているの?

選定企業一覧はこちらで見ることができます。

令和2年度「なでしこ銘柄」「準なでしこ」を選定しました 経済産業政策局 経済社会政策室

ここでは、令和2年度選出企業の中で、H24年度からの「なでしこ銘柄」選出回数トップ10を作成してみました!

【1位~3位】

1位 東急株式会社 なでしこ9回

ポイント H24年度から令和2年まで、全ての回で「なでしこ銘柄」選出!

2位 ダイキン工業株式会社 なでしこ8回

ポイント H25年度を除く全ての回で「なでしこ銘柄」選出!

3位 カルビー株式会社 なでしこ7回+準なでしこ1回

ポイント H25年度から令和元年まで「なでしこ銘柄」選出、令和2年は惜しくも「準なでしこ」

【4位~10位】

4位 トッパン・フォームズ株式会社 なでしこ7回

4位 SCSK株式会社 なでしこ7回

4位 株式会社大和証券グループ本社 なでしこ7回

7位 アサヒグループホールディングス株式会社  なでしこ6回+準なでしこ1回

7位 株式会社LIXIL なでしこ6回+準なでしこ1回

9位 積水ハウス株式会社 なでしこ6回

9位 株式会社ローソン なでしこ6回

各企業の具体的な取り組みなどは、こちらで見ることができます。参考にしてください!

令和2年度「なでしこ銘柄」レポート 経済産業政策局 経済社会政策室

まとめ

今回は、経済産業省と東京証券取引所が共同選定している「なでしこ銘柄」についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか。

ESG投資への関心が高まる今、ぜひ「なでしこ銘柄」に注目してみてくださいね!

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