【多様性の表現】メルティングポット、サラダボウル、ステンドグラスとは?

ダイバーシティ- エピソード、参考情報などいろいろ

「メルティングポット(人種のるつぼ)」という言葉を聞いたことがありますか?

アメリカのように、多くの民族が混ざり合っている様子を表す言葉ですね。

しかし近年では、「サラダボウル」という表現を使われることが多くなりました。

また、「ステンドグラス」という表現も登場しています。

困りネコ
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それぞれの違いは何なのにゃ??

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今回は、これら民族の多様性を表す言葉の背景や意味などを解説します!

メルティングポット

メルティング ポット(Melting Pot)=金属を溶かす容器のこと

➡ 異なる金属が、どろどろに溶けて混ざり合うこと

異なる民族が、同化すること

1880年頃までのアメリカは、初期移民である西欧や北欧の出身者(白人、アングロサクソン系、プロテスタント)を中心とした国家でした。

しかし、南欧や東欧からの「新移民」や、その他世界中からの移民が増加するにつれ、「多様な人種や民族が溶け合い、”アメリカ人” を形成する」という”融和論”が広まっていきます。

そして1908年には「メルティングポット」という演劇が発表されてアメリカで大ヒットし、その表現が定着しました。

しかし「メルティングポット」が示すのは、”新しいアメリカ人の形成” というより、英語を第一言語としたアングロサクソン文化への”同化”でした。

移民の増加、そして人権運動の高まりにより、この考え方への反発は高まっていくこととなります。

サラダボウル

サラダボウル(Salad Bowl)

➡ いろいろな野菜が、元のかたちや性質を保ったまま混ざっていること

異なる民族が、そのルーツを保持したまま混ざり合うこと

1960年代になると、アメリカではダイバーシティの考え方が広まり、公民権運動が盛んになりました。

そのような中で、アメリカを構成する民族の多様性を表現する言葉として、「サラダボウル」が使われるようになりました。

ボウルの中には様々な野菜が混ざっていますが、キュウリはキュウリのまま、トマトはトマトのまま、元のかたちや性質を保っています。

同様に、”アメリカ”という一つの枠の中で、それぞれの民族の習慣や価値観を尊重して共生することを表しています。

ステンドグラス

Third, Stained Glass Panel, stands for pluralism because all the individual patterns, shapes, and colors coexist and form a big picture (composition culture) in the panel (nation).

3つ目の「ステンドグラス」は、多元的共存を表している。すべての個々のパターンや形や色が共存し、パネル(国家)の中で大きな絵(構成文化)を形づくっているからである。

Shu Chen-Worley – Understanding Differences with Big “I” and Small “i” Self-Concepts as Effective Practice for Leadership,Inclusion, and Equity

「サラダボウル」の発展形としてご紹介したいのが、この「ステンドグラス」です。

サラダボウルとの違いは、”全体が大きな絵を作っていること” です。

サラダボウルの野菜は ”混ざっていること” がひとつの到着点であり、そこから発展はありません。(腕のいいシェフなら盛り付けにこだわるかもしれませんが!)

また、トマトだけ選んで食べることも可能ですし、分けることも容易です。

ですが「ステンドグラス」は、それぞれが独自の色やかたちを持っていると同時に、集まることによって、個では成しえない大きな絵を描いています。

まさに、「個」と「全体」の調和、より大きな価値の創出ですね。

まとめ~これからの多様性

今回は、 民族の多様性を表す表現を3つご紹介しました。いかがでしたでしょうか。

日本でも、多様性の重要性が取り上げられる機会が多くなりました。

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様々な人々が集まって大きな絵を描く「ステンドグラス」は、私たちが目指すべき多様性のイメージのひとつではないでしょうか。

困りネコ
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ダイバーシティに興味がある方は、こちらも参考にしてくださいにゃ。



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