多様な人材の採用が進む中、採用時の人物見極めや採用後の定着に頭を悩ませている人事担当者や管理職の方も多いことでしょう。
そこで今回は、多様性が高い組織やグローバルな環境で活躍できる能力として注目を集める『CQ(異文化適応能力)』についてご紹介します。
IQ、EQ 、CQとは
人間の各種能力を測る指数として、「IQ」「EQ」に続いて注目を集める「CQ」。
まずはそれぞれの意味を見て見ましょう。
IQ:Intelligence Quotient (知能指数)
知能の水準あるいは発達の程度、様々な状況や環境に合理的に対処していくための土台となる能力
EQ:Emotional Intelligence Quotient (感情指数)
自分や他人の感情を感じ取り、自分の感情をコントロールして適切な行動をとる能力
CQ:Cultural Intelligence Quotient(文化指数)
多様な文化的背景の中で自身を効果的に機能させる能力、文化の違いを超えて円滑にコミュニケーションを図る能力
CQが示す能力とは
CQは、以下の4つの能力で成り立っています。
1. 動機:文化的多様性や自己実現に喜びを見出すことができる興味、関心、自信に関する領域。
2. 知識:複数の文化間の類似点と相違点に関するビジネスや文化、宗教等の知識を問う領域。
3. 戦略:文化的に多様な経験を理解する異文化間の交渉でのプランニング力、調整力を問う領域。
4. 行動:言語的行動、非言語的行動を文化的文脈に適応させる力を問う領域。
そしてCQは、多様性ある組織で活躍するために必要な力であると指摘されています。
CQの高さが組織の中でどのように発揮されるのか、具体的に見ていきましょう。
新しいことへの興味と適応力
CQが高い人は、新しい環境や異文化に直面した時、恐れや不安より興味の方が高く現れます。
ですから、最初はカルチャーショックを受けたとしても、早い段階で回復して新しい文化や環境に順応することができます。
反対にCQが低いと、「前の会社ではこうだった・・」のように自分が慣れた文化に固執し、新しい文化を受け入れるまで時間がかかります。
他者を理解しようとする姿勢
CQが高い人は、自分と異なる存在に対して「理解しようとする姿勢」を高く持っています。
そのため、互いの相違点や類似点を発見し、そのうえでどうすればよいかを考えることができます。
多様性を前提とした解決策を考えることができるということです。
反対にCQが低いと、 自分と異なる存在を排除したり無視するか、もしくは「闇雲に同化する」という選択肢を取る傾向があります。
高いコミュニケーション力
人間同士のコミュニケーションには、「こうすればうまくいく」という確固たるルールやマニュアルがありまぜん。
CQが高い人は、その場に応じた柔軟性や、相手の文化を理解し受け入れる受容性を持っています。
また未知のことや例外も受容することができるので、混乱に陥らず、コミュニケーション(を通じて得たいこと)という目的にフォーカスすることができます。
CQが低いと、自分の文化での”正解”を探すことに終始してしまったり、自分の主張に固執して相手の反応を受け止めることができなくなってしまいます。
まとめ
今回は、IQ、EQに続いて注目を集める「CQ」(異文化適応能力)をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
多様な人材を活かす組織作りに向けて、こちらも参考にしてくださいね!