【不毛な議論に疲れた人必見】簡単で有益な反論スキル”Devil’s Advocate”とは?

ダイバーシティ- エピソード、参考情報などいろいろ

Devil’s Advocate(悪魔の代弁者)という言葉を聞いたことがありますか?

なんとも恐ろし気な表現ですが、「ディスカッションなどで、あえて反対の意見を述べること」です。

実はこれ、議論をスムーズにするだけでなく、多様な視点を手に入れることもできる、なんともお得なスキルなんです。

AN
AN

どのようなものか見ていきましょう!

Devil’s Advocate の 使い方とは?

とあるミーティングにて・・・

Aさん
Aさん

I think all communication in our team should be in English.

(チーム内のコミュニケーションはすべて英語にすべきだと思うんだけど)

困りネコ
困りネコ

Your idea is that we should all speak English at the workplace, right?

(あなたの意見は、職場では皆が英語を話すべき、ってことで合ってるかにゃ?)

Aさん
Aさん

Exactly!

(そういうこと!)

困りネコ
困りネコ

Well, let me play devil’s advocate here.

(ふむ~、ではここで、あえて反論するにゃ)

We might have trouble communicating since we are not used to speaking only in English.

(それってコミュニケーションが大変になるかもにゃ。 英語だけで話すことに慣れていないからにゃー。)

Aさん
Aさん

Hmm… do we need a trial period?

(むむむ…お試し期間が必要かな?)


というふうに、議論を進めていきます。

AN
AN

大事なポイントはこの2点です。

これらがあると無いとでは大違いなので、お忘れなく!

Devil’s Advocate をうまく機能させるポイント

● 議論を始める前に、相手の意見を確認する

⇒ 前提がすれ違っていると、不毛な議論へまっしぐら!

 この確認があることで、互いのトーンを整える ”クールダウン”の役割も果たします。

● 「あえて反論する」ことを相手に伝える

⇒ ”自分の意見を否定されること”への拒否感を持つ人は多いです。

 「役割」であると伝えることで、個人的な感情から切り離すことができます。

Devil’s Advocate のメリットとは?

AN
AN

Devil’s Advocate のメリットは、大きく分けて4つあります。

1.心理的安全性を確保できる

2.集団思考(グループシンク)を回避できる

3.個人内多様性(イントラパーソナル・ダイバーシティ)を育む

4.新しい視点やイノベーションをもたらす

1.心理的安全性を確保できる

日本人は、議論が苦手だとよく言われます。

協調性が重視される教育を受けて育ち、意見を述べたり討論をしたりする場が少ないのですね。

そういった中で真っ向から反論すると、互いに感情的になってしまったり、個人攻撃と受け取られてしまうことも。

Devil’s Advocateのスキルを使うことで、個人の感情から離して議論しやすくなり、お互いの心理的安全性を確保することができます。

職場であれば、「建設的な議論をするための約束事」として事前に共有しておくと、よりスムーズに進めやすいでしょう。

なお、心理的安全性は、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の潤滑油である”Belonging”を高める重要な要素です。

AN
AN

心理的安全性を確保することは、単に一回の議論をスムーズにするだけでなく、職場全体の雰囲気や社員のモチベーションにも影響があるのです。

2.集団思考を回避できる

「集団思考」とは

米国の社会心理学者アーヴィング・ジャニス が提唱した概念。

集団による意思決定が、個人で行う場合より非合理な結論になる傾向のこと。

集団浅慮(しゅうだんせんりょ)、グループシンク(groupthink)とも言う。

1986年にアメリカで起きた、スペースシャトル「チャレンジャー号」の爆発事故も、集団思考により重大な不具合が見落とされて発生してしまった悲劇と言われています。

例えば会議の際に、こんなことを思ったことはありませんか?

困りネコ
困りネコ

このままいったらまずいんじゃないかにゃ・・。

まぁいいにゃ、反対すると面倒になりそうだにゃ。

でも、この反論が出ていたら、もっとうまくいっていたかもしれません。危機を回避できていたかもしれません。

ですからぜひ、Devil’s Advocateのスキルをチームで共有してください!

例えば、「今回の議題は重要だから、誰かが必ずDevil’s Advocateの役割をしよう!」などと事前に決めておくのもよいかもしれません。

AN
AN

様々な調査で、多様性が高い組織では集団思考を回避しやすいという結果が出ています。

参考にどうぞ!

3.個人内多様性(イントラパーソナル・ダイバーシティ)を育む

ダイバーシティ(多様性)には、「デモクラフィー型」「タスク型」の2種類があると分析されています。

デモクラフィー型ダイバーシティとは

性別・国籍・年齢・言語など、客観的に判別しやすい属性における多様性。

現在日本で推進されているダイバーシティは、女性活躍推進やシニア人材活用、外国人採用など、デモグラフィー型ダイバーシティが主流であると言えます。

タスク型ダイバーシティとは

能力・経験・知識・価値観など、個人が有する無形の多様性。

タスク型ダイバーシティが高いと、”知の組み合わせ”によるイノベーションが起きやすいと言われています。

AN
AN

そして新たに注目されているのが、個人内多様性(イントラパーソナル・ダイバーシティ)です。

個人内多様性(イントラパーソナル・ダイバーシティ) とは

一人の個人が、多様な経験と幅広い知見を有する多様性。異なる業界・業種での就業経験、複数の国での教育経験など。

個人の多様性により組織の多様性も促進され、イノベーション創出の可能性を高めると言われています。

企業内起業、副業の許可などは、個人内多様性を促進する動きと言えます。

Devil’s Advocate のスキルを意識して使うことは、この個人内多様性を高める練習になります。

「”今の素の自分”がどう思うか」という主観から離れて、意図的に反論ポイントを探すことで、新しい視点でものごとを考えることになるからです。

あるテーマに対して賛成と反対の両方を考える、「ひとりディベート」ですね!

困りネコ
困りネコ

広告などのクリエイティブ作品は、多様な視点のヒントになるにゃ!

4.新しい視点やイノベーションをもたらす

イノベーションは、”既存の知の新しい組み合わせ” から生まれます。

そして”知”は人や組織の中にあります。

ですから、イノベーション創出の土壌を作るためには以下の2つが必要であり、Devil’s Advocate を活用するとそれが可能になるのです。

1. 心理的安全性を確保して”知”を引き出す

➡ Devil’s Advocate により、心理的安全性を確保できる

2. 引き出した”知”を、新たな視点や切り口で見直したり組み合わせたりする

➡ Devil’s Advocate により、集団思考を回避し、”素の自分”ではない視点で考える

AN
AN

感情的でない”有益な反論”は、多様な視点を生み出します。

ぜひ取り入れてくださいね。

まとめ

今回は、有益な反論スキル「Devil’s Advocate」をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。

あなたのチームの議論を豊かにするヒントとなれば幸いです。

多様な視点についてもっと学びたい方はこちらもどうぞ!

習い事も、個人内多様性を高める良い経験にゃ!

タイトルとURLをコピーしました