「ある姉妹のオレンジの分配交渉」というエピソードをご存じですか?
「交渉」と聞くとなんだかたいそうなことに思えますが、実は交渉は私たちの日常にあふれています。
「どっちがコーヒーを入れるか」「次の家族旅行はどこに行くか」みたいな家族間のことから、「プロジェクトのテーマを決める」「新規顧客と契約する」のような仕事のことまで、大小様々です。
交渉の目的とは
ところで、そもそも交渉の目的って何なのでしょう?何のために交渉するのでしょう?
相手に勝つため?何かを奪うため?
ではこの話を読みながら、「交渉の目的」を考えてみてください。
ある姉妹が、ひとつのオレンジを巡って口論していました。
姉「お姉さんだから私がもらう!」
妹「いつもずるい、私だってほしい!」
さてあなたなら、どのように仲裁しますか?
様々な解決策
色々な対応が考えられますね。
・半分に切って分ける
・じゃんけんで決める
・次は妹or姉にあげると約束して今回は姉or妹がもらう
・お母さんからもう一つもらう
などなど。
ただこれらはいずれも、こんな感じになってしまいます。
・半分に切って分ける ⇒満足度50%ずつ
・じゃんけんで決める ⇒満足度100%と0%(恨みも残るかも)
・次は妹or姉にあげると約束して今回は姉or妹がもらう
⇒満足度100%と0%(これも恨みも残るかも、次回に本当に約束を守るかという不確定要素もあり)
・お母さんからもう一つもらう
⇒100%ずつになるかもしれないが、お母さんとの交渉というさらなる労力や不確定要素を経ないと分からない
新たな視点の獲得
では、こんな方法はどうでしょう?
「そもそもなぜオレンジをほしいのかを聞いてみる!」
姉「妹の誕生日プレゼントのお菓子を作りたいから、オレンジの皮がほしいの!」
妹「お姉ちゃんがのどが渇いたと言っているから、美味しいオレンジジュースを作ってあげたいの!」
つまり、二人の目的は、「姉に/妹に、何かをしてあげたかった」ということなのですね。
「じゃあ、姉にオレンジの皮を、妹に中身をあげよう」
⇒これで、満足度100%ずつの計200%!
よかった、目的を知らずに判断していたら、ケンカになってしまっていたかも・・・
つまり、視点を変えることで、
「目の前の大きさが決まったパイを分ける」(分配型交渉)から、「双方の目的を果たすにはどうするか考える」(統合型交渉)に移行することができる
ということですね。
そのことにより、無用な争いを避けることができるかもしれませんし、「どちらも満足」を目指すことでパイの大きさを大きくすることだってできるかもしれません。
「交渉」となると、「勝つか負けるか」「いかに多く取るか」みたいに考えてしまいがちですが、より大きな満足、ハッピーを生み出せるよう、新たな視点を意識てみてくださいね!
まとめ
今回は、新たな視点を得るヒントとして、「ある姉妹のオレンジの分配交渉」をご紹介しました。いかがでしたか?
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