去る2021年11月3日、「文化の日」にぴったりのウェビナーに参加しました。
「日本文化を外国人に説明する方法 ~ホフステードモデルに基づいた日本文化理解」です。
主催の Hofstede Insights Japan(ホフステード・インサイツ・ジャパン) は、フィンランドに本社を置くHofstede Insights Groupに属しており、オランダのヘールト・ホフステード博士の研究を応用し、日本企業へのコンサルティングや研修などを提供しています。
ヘールト・ホフステード博士 とは
ホフステード博士とは、以下のような人物です。
- オランダのマーストリヒト大学名誉教授
- 経営学者、社会人類学者
- 「文化と経営」の世界的権威として、国別の文化的価値観を世界で初めて数値化
- 国別の文化的価値観を表す6次元モデルを作り上げた
- 「世界で最も影響力のある経営学者20名」(2008年、ウォールストリートジャーナル)に選出された
「6次元モデル」についてはこちらをどうぞ!
ホフステード博士は、「文化と経営」という視点の重要性を以下のように伝えています。
文化は経営を支援する場合もあるが、多くの場合は経営の足を引っ張る“厄介者”であり、時に深刻な問題を引き起こす。文化のもたらす影響を理解せず、国境を越えたビジネスに取り組むのは、水に一度も触れたことがないのに泳げると錯覚することと同じだ。
文化を知らずにビジネスを行うことへの警告が述べられていますね!
「日本文化を外国人に説明する方法」とは
今回のセミナーでは、ホフステード・インサイツ・ジャパンの代表取締役である渡邉寧(わたなべやすし)氏が登壇し、「日本文化を外国人に説明する方法」をお話しされました。
なるほどー、と思ったのは、「日本文化はこれこれこんな特徴がありますよ~」と説明すればいいというわけではなく、内容がどんなに正しいとしても、相手に伝わるかどうかは別!ということです。
渡邉氏は、「人間は、あまりにも異質なものは、理解の対象にならないことが多い」と指摘され、「共通を探す」→「違いを説明する」という、話の順番を間違えないことが大事であると述べられました。
となるとまずは「共通点や違いをどのように探すのか」が問題になるわけですが、そこで役に立つのが Hofsted Insights が提供している COUNTRY COMPARISON です。
比較したい国の名前を入力するだけで、6次元モデルのスコアが出てくるという優れモノ!
スコアが高い(55以上)または低い(45以下)を目安に、近い項目と異なる項目をピックアップすると、共通点と差異が抽出できるというわけです。
ちなみに上記画像の日本と米国で考えると、以下のようになります。
共通点:Masculinity(男性性)がどちらも55以上 ←こちらを先に話す
差異:Long Term Orientation(長期志向)は日本が高く、米国は低い
日本と色々な国を比較してみると、意外な共通点や差異が見つかって面白いですよ!
各国の文化の特徴をもっと知りたい方はこちらをどうぞ
「ホフステードモデルに基づいた日本文化」とは
6次元モデルに基づいて日本文化の特徴を採り上げると、以下のようになります。
共通点と差異を抽出したら、該当項目について以下のようなトピックで話をすると、日本文化の特徴を説明できます。
権力格差(日本のスコア54) ※スコアは国間の相対的数値、50が平均
• 優しい父親のようなリーダーを望む
• ミドルアップダウン
個人主義(日本のスコア46)
• 「和」の協調
• 集団内が穏やかで調和ある状態を望む
男性性 (日本のスコア95)
• 「道を極める」
• ジェンダーギャップの高さ
• 「勝ち組」志向
不確実性回避 (日本のスコア92)
• 礼儀の強調
• リスク回避志向
長期志向 (日本のスコア88)
• 四季の感覚(循環的な時間感覚)
• 包括的思考
人生の楽しみ方(日本のスコア42)
• 協調的幸福感
• 清貧に甘んずる
日本を含めた世界各国の文化比較を知りたい方は、こちらをどうぞ
まとめ
今回は、 Hofstede Insights Japan(ホフステード・インサイツ・ジャパン) 主催のウェビナー、「日本文化を外国人に説明する方法 ~ホフステードモデルに基づいた日本文化理解」をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
外国人の方と接する機会がある皆さまは、ぜひ参考にしてください!
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