”多様性(ダイバーシティ)”という言葉を耳にすることが多くなってきました。でも実は、「結局何を指すのかよく分からない…」「かたちだけになっている気がする」と感じている人も多いのではないでしょうか。
多様性とは、当たり前ですが最近始まった”流行”ではなく、長く存在する概念です。色々な時代に、様々な国で、環境で、多くの人が考え、表現してきました。
そこでこれから、多様性にまつわる世界の偉人たちの名言をご紹介していきます。
異なる視点から語られる「多様性」から、それが意味すること、もたらすもの、そして「自分にとっての多様性」を考えてみませんか?
ジョン・ラスキンのプロフィール
進歩が生まれるのは多様性の中の選択からであって、画一性の保持からではない。
ジョン・ラスキン
今回ご紹介するのは、19世紀のイギリスを代表する社会思想家・美術評論家、ジョン・ラスキンです。
当時のイギリスでは産業革命が最盛期を迎えており、「経済ヒエラルキーの支配層」と「労働者」という構図がはっきりと出来上がった頃でした。
機械工業化が進む社会においては合理性に価値が置かれ、効率性が追求されました。よって労働者は機械で代替可能な存在として扱われることもしばしばでした。
その中でラスキンは、神の創造物である「自然」を完全な理想とし、芸術においても「自然をありのままに写すべき」と訴えていました。ターナーやラファエル前派と交友を持ち、中世のゴシック美術を賛美する著作を多く残しています。
そして社会評論家としては、急速な近代化・工業化を批判し、自然の一部である人間本来の姿を尊び、一人ひとりの個性・才能を発揮することが大切である と主張したのです。
ジョン・ラスキンの多様性にまつわる名言
ラスキンは、生涯を通して様々な形での表現を試み、数多くの名言を残しています。
ここでは、多様性にまつわるその他の名言をいくつかご紹介します。
自分に合った仕事に就いている時は、豊かな庭に色づいた花が咲くように、楽しみが仕事から生まれる。
私達の中で最も弱い人間でも、才能(ギフト)を持っている。
偉大な人物にとって、常にすべての人々が彼の助けとなる。万物からよいものを見出す才能によって。
本当に悪い天気なんてものはない。ただ、さまざまな種類のよい天気があるだけだ。
まとめ
今回は、19世紀のイギリスの社会思想家・美術評論家、ジョン・ラスキンをご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
彼の言葉は、現代の私たちにも通ずる問いかけを投げかけているように思えます。
多様性の意味、もたらすもの、「あなたにとっての多様性」を考えるきっかけになりましたら嬉しいです。